年収の壁をわかりやすく解説

2026年10月時点の制度(2026年分の収入)にもとづく内容です

「年収の壁」とは、パート・アルバイトの年収がある金額を超えたときに、税金や社会保険の扱いが変わる境目のことです。 壁には、超えると手取りが減ることがある「社会保険の壁」と、控除が変わるだけで手取りが急に減ることは少ない「税金の壁」の2種類があります。 ここでは、給与収入だけで働いている人を前提に、それぞれの壁を順番に説明します。

ひと目でわかる一覧

130万円の壁社会保険

関係がある人
家族(配偶者や親)の健康保険の扶養に入っている人
超えるとどうなる?
年収の見込みが130万円以上になると扶養から外れ、自分で国民健康保険・国民年金(または勤務先の社会保険)に入って保険料を払います。保険料の分だけ手取りが減るため、少し超えるだけだと超える前より手取りが少なくなります。
  • 19〜22歳(配偶者を除く)は150万円、60歳以上や一定の障害がある人は180万円が基準です。
  • 2026年4月からは、労働契約で決まっている賃金から見込んだ年収で判定されます。一時的な残業で超えただけなら、扶養から外れません。
  • 税金の壁と違い、通勤手当も収入に含めて数えます。

136万円の壁税金

関係がある人
家族の税金の扶養に入っている人(配偶者、16歳以上の子など)
超えるとどうなる?
給与収入が136万円(所得62万円)を超えると、扶養している家族が扶養控除・配偶者控除を使えなくなり、家族の所得税・住民税が増えます。本人の税金がこの金額で増えるわけではありません。
  • 配偶者の場合は配偶者特別控除に切り替わるので、家族の税負担がすぐに増えるわけではありません。
  • 19〜22歳の場合は特定親族特別控除に切り替わり、159万円までは同じ額(63万円)の控除が続きます。
  • 家族の勤務先の扶養手当(家族手当)が、この金額を基準にしている場合があります。

150万円の壁社会保険

関係がある人
親などの健康保険の扶養に入っている19〜22歳の人(学生かどうかは問いません)
超えるとどうなる?
19〜22歳は130万円ではなく150万円が基準です。年収の見込みが150万円以上になると扶養から外れ、自分で国民健康保険などの保険料を払うことになります。
  • 年齢はその年の12月31日時点で判定します。
  • 配偶者の扶養に入っている場合は対象外で、130万円が基準になります。
  • 2025年10月に130万円から引き上げられました。

159万円の壁税金

関係がある人
19〜22歳の子などを扶養している家族
超えるとどうなる?
給与収入が159万円(所得85万円)を超えると、親などが受ける特定親族特別控除が満額の63万円から段階的に減り、197万円を超えるとゼロになります。増えるのは親などの税金で、本人の税金ではありません。
  • 控除は一度になくなるのではなく少しずつ減るので、超えた途端に世帯の手取りが大きく減ることはありません。
  • 2025年分の基準は150万円でした。給与所得控除の引き上げにより、2026年分から159万円になっています。

178万円の壁税金

関係がある人
給与をもらって働くすべての人
超えるとどうなる?
給与収入が178万円(基礎控除104万円+給与所得控除74万円)を超えると、超えた分に所得税がかかります。税金がかかるのは超えた分だけなので、手取りが超える前より減ることはありません。
  • 2025年分は160万円でした(それ以前は103万円)。
  • 住民税は基準が別で、これより低い年収からかかります(金額はお住まいの自治体によって異なります)。

106万円の壁はなくなりました

以前は、従業員51人以上の勤務先で月額賃金が8.8万円(年収約106万円)以上になると、勤務先の社会保険(厚生年金・健康保険)に加入する決まりでした。 この賃金の条件は2026年10月1日に撤廃されています。

現在は年収にかかわらず、従業員51人以上の勤務先で、週の所定労働時間が20時間以上・2か月を超えて働く見込み・学生ではない、という条件を満たすと加入します。 目安は「年収」から「週20時間」に変わったと考えてください。勤務先の規模の条件も、2035年10月にかけて段階的になくなる予定です。

加入すると保険料の負担は増えますが、将来の年金が増え、傷病手当金や出産手当金を受けられるようになります。

よくある勘違い

  • 「103万円の壁」は、2025年の税制改正でなくなりました。所得税がかかり始めるのは、2026年分では178万円からです。
  • 税金の壁は1〜12月に実際に受け取った給与で判定します。社会保険の扶養は、これから1年間の見込みで判定します。
  • 通勤手当は、税金の壁では数えません(非課税の範囲内)。社会保険の扶養の判定では収入に含めます。
  • 掛け持ちをしている場合は、すべての勤務先の給与を合計して考えます。

シフビーでできること

シフビーのProプランでは、登録したシフトと時給から従業員ごとの年収見込みを自動で計算し、それぞれの壁にどのくらい近づいているかを確認できます。 従業員ごとに目標の上限を設定しておくと、超えそうなペースのときに気づけます。

※ このページは制度の概要をわかりやすく伝えるための一般的な説明で、個別の事情に対する税務・労務上の助言ではありません。 実際の扱いは、ほかの収入、各種控除、勤務先や加入している健康保険の条件によって変わります。 正確な判定は、税務署・年金事務所・加入先の健康保険、または勤務先にご確認ください。 特定親族特別控除の金額は国税庁 タックスアンサー No.1177で確認できます。